■盆掘川ボサ刈り(清水)
今日の作業は盆掘川のボサ刈りである。本来は東地区の森林整備なのだが、先々月、有志が地元のクリーンディに参加。ボサ刈りの結果、道路沿いから川がよく見えることに気を良くして再度、全員での作業ということになった。
なにしろ一区画というより川上から川下までいくらでも対象範囲だから、結構な人数が入ったのだがそれぞれ散ってしまって誰がどこにいるのかよくわからない状態。ボサ刈りといっても川の景観を阻害する樹木を伐採していくわけだから低木に限らず結構な高木も伐採対象になった。どちらかというと皆伐に近い。名前の知らない樹木もあるが、低木では「甘茶」や「花筏」などが多くみられた。
また、自生の「山紅葉」の七本の株立ちや夏椿の株立ちなどの素晴らしいものもあった。川に向かっての急斜面の樹木だから程よく樹形が傾斜して玄関前のアプローチなどに植えれば和風かつ自然風のすごくいい感じのものになるような樹木も見られた。そんな樹木だから伐採するのにちょっと躊躇したが、掘れるものでも、持ち出せるものでもなくやむなく伐採。でも自生の広葉樹だから来年にはまた芽吹いて新しい形になってくるのだから「まあいいか」ということで伐採。川沿いの高木は切り倒せば水の中に。そのままにしておくと洪水でもなるとその樹木が水の流れを阻害してしまうので枝や幹を切りながら、陸地に手繰り寄せて整理。不安定な川の中の石に足をかけ作業。ベテランのTさんが地下足袋の濡れるのも構わず水の中にジャブジャブ入って応援。なるべく濡れないようにと思って作業している仲間たち、結局はバランスを崩して水の中へ。でも清流の素晴らしさ。水に入っても結構気持ちがよかった。
そんなこんなで昼になった広い範囲に散っていた仲間も斜面をよじのぼって道路に集合。雨は上がっていたが斜面はぬれていて、おまけに小石混じりの滑りやすいところの作業だっただけに、いい大人がみんな本当の「泥ん子」。でもその顔は子供のような屈託のないいい顔。振り返ればいままで見えなかった盆掘川の清流がよく見える。この結果がみんなをきっと作業に駆り立てるのだと思われる。
お茶会
今日は仲間の一人のKさんがお茶をたててくれるという。今日だけはお茶の宗匠。今日は奥さんも同伴。いつもは「どうしてそこまで汚れるの?」と思うくらい夢中というか一生懸命というか作業熱心の宗匠。今日は藍染の作務衣で別人のようである。最初は盆掘川の河原でのお茶席を予定したが悪天候と地形的なことも考えて東地区の基地で行われることになった。
昼食も同様に東地区で食べることになった。基地での昼食となれば張り切るのは料理長。すぐに具材を仕入れに行ってお昼の汁もの準備。また、皆が気持よく昼食やお茶会ができるようにと数人が基地の雨対策準備。盆掘川の整備に行っていた仲間が続々山を上がってくる。基地につくとみんな一息。そして昼食。暖かい味噌汁が美味しい。昼食後、宗匠よる「ぼんぼり大茶会」が。まずはお菓子の羊羹が。言うまでもなく「虎屋の羊羹」。高級品で20人以上もいるのだから冗談に「超薄切りの羊羹では」と言われたが、そこは誇り高き宗匠、かなりの厚切りときた。そんな羊羹の程良い甘さと盆掘の山の岩から染み出る名水が抹茶のおいしさを余計に引き立てることになった。
みんな山仕事の格好で、普通に見るお茶席とは全く違うが、いい空気といい景色、そして盆掘の名水で疲れたみんなにお茶を接待してあげようというという気持ちと振る舞われた人の感謝の気持ちに本当のお茶の心があるのだなと感じた次第。そう考えれば暖かい味噌汁を用意してくれる炊事班にも同じことが言える。さらに宗匠夫人手製のケーキ。暖かいコーヒーと相まってこれも美味しかった。
その後のひと時
午後は珍しく自由行動(いつも自由だけれど・・)。東地区の森林整備をやる人はそれぞれの場所に移動。残った人は基地周りを整備したり、久しぶりに暖かいコーヒーをいれたりとのんびりとした時間を過ごし3時の終礼を迎えた。その後、いつものように半数以上の12人がアフターと称して秋川の居酒屋へ。午後8時半ころようやくぼんぼり定例日最後の活動?終了。昔、「怒れる12人の仲間」という映画があったけど、終わってみれば「酒でイカレタ12人の仲間」になっていました。
■森林整備班午後の部(入江)
昼食後、お茶会が13時30分まであり、すっかりくつろいでしまったため、夏の暑い盛りということもあり、午後の作業に向かう雰囲気でもなくなってしまった。そこで、各自自主判断で、午後の作業を行う者、作業を行わずに集合場所でのんびりと過ごす者に別れることとなった。
結局、いつもエネルギーを持て余しているF嬢とT翁に引きずられるようにして、合計7名が山作業に入った。作業としては、先月に引き続き手鋸とチェーンソーによる除伐を行った。合計でスギを数本伐採し、あとはボサを刈った程度で作業成果としては若干低調であったが、お昼に皆が完全にお休みモードに入ってしまったために、作業に気持ちを切り替えるのは難しく、無理をせず一部の人間だけで午後の作業を行ったのは賢明な判断だったと思われる。
一つ面白かったことは、F嬢とK氏という異色のコンビで作業を行った結果、結構仕事が捗ったようで、人と人との組み合わせの意外性を感じた次第である(普段、K氏については、奥様との「夫婦漫才(?)」のイメージが強烈だったために、F嬢とのコンビはかなり新鮮でございました)。
日頃と違った人との作業は、「阿吽の呼吸」とならない欠点があるが、いつもより緊張感を持って作業に取り組む姿勢が生まれる利点がある。といったわけで、今後も新たな異色コンビを次々と生み出して、作業にトライしてみましょうかねえ。
■お茶席の報告(辻田)
加藤ご夫妻がお抹茶の茶席宴を企画された。
予定では木陰でそよ風のもと、昼食後の一服として参加者にすばらしいお茶の香りを供していただくことになっていた。
ところが朝9時頃から霧雨がそぼ降るあいにくの天候、折角のご好意がこれでは台無しになると、関係者の必死の願いが届いたのか、10時すぎにはとりあえず霧雨も止みその後もず〜っと結局降らずじまい。
お水は例の道路わきのおいしい湧水。お茶道具一式は加藤ご夫妻が車でご自宅から運んでくださった。茶席菓子はかの有名な虎屋の羊羹と奥さま手作りのケーキ。
今日は昼の休憩時間を30分延長して参加者20名が奥様のお手前で順繰りにお抹茶をいただいた。中にはお代わりをする人も。
加藤奥様の一言。やっぱりお茶はお水が命だわ〜。
それに緑滴る木の下でのお手前。あ〜やっぱり今日来てよかったと参加者の弁。ご主人の気配りがいっそう雰囲気を盛り上げてくれました。ありがとうございました。
■盆堀村はふる里の匂いに満ちていた −「ぼんぼり山の会」ボサ刈り見学記−(清水)
8月1日、「ぼんぼり山の会」の例会に押しかけ参加させてもらった。フイールドのある盆堀集落は武蔵五日市駅から檜原街道を秋川沿いに西進、途中の戸倉から盆堀川の清流を眼下に谷あいの道を行く。直線距離にしておよそ3キロ強くらいか。
「親父の実家のある沢井にそっくり!」。これが、車を降り集落の佇まいを見て思わず発した第一声。V字型渓谷沿いの狭隘の地。石垣の細い坂道を上がった猫の額のような敷地にへばりつくような住居があって、その後ろに段々畑が続いている。先祖累代、営々と石榑と闘い土を掬い上げジャガイモを作ってきた畑だ。
盆堀はだんだん畑にやぶ茗荷
車道から一番近いお家の庭先に立派なつるべ井戸があった(写真)。折りよく居合わせた高橋おばあちゃん曰く「私が嫁にきた頃は、このあたりの15戸ぐらいの共同井戸でした。昔は通りがかりの旅の人たちにもよく飲んでいただきました。ずいぶん深くて、今でも現役ですが共同利用は・・・」。
ボサ刈りは盆堀川右岸の沢沿いから車道までの足場の悪い斜面をやっていた。前回は地元の人たちのお手伝いという形でやって、今回はその地続きの場所を会の自主的活動としてやっている由。地元からは、窓口役の高橋さんがお付き合いで作業に参加されていた。皆さん手馴れたもので、参加者25名、午前中だけの作業で沢沿い100メーターほどの斜面がすっかり明るく綺麗になってしまった(写真)。
ボサ刈るや盆堀川に月の影
ユズ畑を横目に段々畑の小道を少し登った斜面に道具小屋兼レストハウス(?)がある。間伐の手が入ったスギ林の入り口で草野教官の指導で造られた炭窯も堂々鎮座。林縁の作業道沿いではコンニャクやらヤブミョウガ、ナツスイセン、ミズヒキソウ、シュウカイドウにツユクサなど小生好みの草花が歓迎してくれた。ランチタイム、小屋に戻ると、即席の竈から紫煙が立ちのぼっている。湧き水満タンの薬缶がチンチン。なんと、加藤夫人が野点をやってくれていた(写真)。暑いときの一服これに勝るものなし。感謝。わが森林塾青水でも是非、再開・恒常化したきものと思っているのだが誰か・・・。
ぼんぼりの柚子我ふる里の香りして
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